ヴィスコンティの「家族の肖像」

「家族の肖像」

「来訪者がやってきて、ドラマが生まれる」とは多くの映画

の基本的パターンである。

「シェーン」も、「テオレマ」も、そして「ローマの休日」

もまたそうである。

この「家族の肖像」は、その典型的なパターンである。

教授の世界に伯爵夫人や美青年コンラッドが入ってきたこと

から、教授の日常は揺るがされるのであるが、これを来訪者

コンラッドの立場に立っても同様である。

伯爵夫人と知り合い、そして教授の部屋の階上に住むことか

ら始まった日々は、彼にとっても、その価値観を揺るがす反

撥の日々であった。

この出会いは、結局はお互いを理解し合い、変えることは出

来なかったが、彼らの間に共感の瞬間が生じさせたのが、飾

られた絵画であることがこの映画のテーマ、あるいはヴィス

コンティが言いたかったことのようだ。

(安元哲男)

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