「キングコング 髑髏島の巨神」

これまでの「キングコング」のリメイク作品は

いずれも残念な結果である。

ジョン・ギラーミンは2作品を手がけたが、現代

を舞台にして文明批評を加えたが、その効果はな

く、スペクタクルとしても迫力不足。

結局は「2」によってジョン・ギラーミンは監督

生命を断たれたと思う。

ピーター・ジャクソン監督は、時代背景や舞台は

原典のままでのリメイクであったが、コング登場

までに約1時間も人間ドラマでもたつかせたこと

で全体的にはつまらないという感想。

今回の新作は、そんな過去の失敗から学んだのか、

満足度は極めて高い。

舞台となる髑髏島に行き、コング登場までのスピ

ーディーな展開は見事であり、その後は人間ドラ

マを最小にして怪獣ショーの連続である。

本作の背景にあるのは「地獄の黙示録」である。

まるで怪獣映画と「地獄の黙示録」の合体版であ

り、これが素晴らしい効果をあげている。

主役のトム・ヒドルストンの役名が、コンラッド

であるのは、「地獄の黙示録」の原作「闇の奥」

の原作者からのものであろうし、ヒロイン役の

ブリー・ラーソンの役名にウィーバーとあるのは

「エイリアン」のシガニー・ウィーバーからのも

のかも知れない。ワンシーン毎、そして小道具な

どもいろいろと楽しませてくれるし、何よりもエ

ンドクレジット終了後のシーンが、これからの期

待を十分に盛り上げてくれる。

それにしても製作費150億円の超大作を、ほとんど

新人監督に任せるプロデューサーも、それに見事に

応えたジョーダン・ボート=ロバーツ監督も共にす

ごい。

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「ムービーズ・ジャンクション」ブログ ~美香のenjoy cinema life~

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