映画『軍中楽園』


戦後40年にわたり公然の秘密となっていた実在の娼館を舞台にした深い人間ドラマ。

1969年、中国と台湾が対立していた時代。

フロッグマン部隊というエリート部隊に配属された青年ルオ・バオタイは海での訓練の時カナヅチで泳げないことが判明し「特約茶室」を管理する831部隊に転属されたその場所は「軍中楽園」と呼ばれる娼館だった。

そこでバオタイはどこか影のある女ニーニーと出会い奇妙な友情を育んでいく。

ある日、バオタイのもとに将来を約束した恋人から別れの手紙が届く。

その悲しみを受け止め優しく慰めてくれたニーニーに惹かれていくバオタイは彼女が「許されぬ罪」を背負っていることを知ってしまうのでした…。

「娼館」と聞くと「えっっ!」というようなシーンがあるのではと思いがちですが全くそんな激しいシーンはなく、主人公の青年の成長物語とともにこの時代に生きた男女の恋を美しくそして切ないストーリーに加え、台湾の歴史も学べる作品として堪能できる映画です。

バオタイとニーニーとの恋だけではなく、若い娼婦のアジャオとの未来を夢見るバオタイの上官ラオジャン、過酷な現実から空虚な愛に逃避するバオタイの友人ホワシン。
それぞれが幸せを望み、それを叶えるためにもがく、人間の愛と性について慈悲深く問いかける、そんな作品です。

台湾映画ってなかなか見る機会がなかったのですが、これを機会に目を向けて行こうと思いました。

映画『軍中楽園』

沢山の学びを得た映画でした。

『mikaのシネマ特急便🎬』
2018.6.22 O.A


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