映画『十二人の死にたい子どもたち』

映画『十二人の死にたい子どもたち』(1月25日公開)


題名を見ただけで「これはパス!」と避けたくなり、見たい映画リストからは外したくなるか、この題名に興味を持ち、どんな展開を見せてくれる作品なのだろうかと思わず飛び付いてしまうか…。

私としてはこのどちらも全くではないけど当てはまらず、何よりも原作者の冲方丁に飛び付いた。

冲方丁と言えば『天地明察』で数々の賞を受賞し、直木賞候補にもなり、2012年には岡田准一主演で映画化もされ話題となった。

この『天地明察』が原作も映画もすごく良かったので、まだ原作も映画も見てないのに、冲方丁という名前を見ただけで「これは間違いない!」と自分の中で勝手に太鼓判を押してしまった。

『十二人の死にたい子どもたち』もきっとその期待に応えてくれるだろうと。

物語は、ある夏の日。
廃病院に十二人の未成年達が集まってくる。

その目的は「集団安楽死」を実行するため。
届けられた案内に従い、一人一人ナンバープレートを手に秘密の安楽死場所へと進んで行く。

そこには十二台のベッドが置かれていた。

後は全員の意思を確認し、みんな一緒に死ぬだけ…。

ところが何故か、そこにはすでに一体の死体がベッドに横たわっていた。

十二人のはずが、この死体を合わせると十三人…。

一体この死体は誰なのか、なぜここで先に死んでいるのか…。

自殺なのか、それとも他殺なのか…。

死にたいけど、誰かに殺されるのは嫌だ❗

動揺を隠しきれない参加者達は、自分達が安心して死ぬために、この死体の謎を解き明かすことに…。

果たして十二人はこの謎を解き明かし、無事に安楽死を遂げることが出来るのか、それとも誰かに殺されてしまうのか…。

密室サスペンス・エンターテイメントの幕が上がる❗

物語に登場する十二人の十二通りの゛死にたい理由゛がある。

じゃあ、何故それを理由に死にたいのか、生きていく道は考えられないのか…。

嫌な事、苦しい事に直面するとそこから逃げ出したくなるのは誰にでもある事。

そうなった時に、この苦しみを理解してくれる誰かが現れたら…。

ここに集まった十二人は゛死゛を理由に゛生゛への道を探しに来たのではないか。

あらゆる事を考えながら最後の最後まで目が離せなかった。

『十二人の死にたい子どもたち』という題名、集団安楽死、自殺、他殺等、目を背けたくなる言葉が連なる、とんでもない作品だと思ったら大間違い❗

今まさに旬の若手俳優達が体当たりで挑む、今を生きる大切さを教えてくれる青春映画なのだ。

十二人の子供たちが最後に下す人生の決断を見守りながら見て欲しい映画です❗

是非映画館でお楽しみ下さい❗



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